贈与税
贈与税
住宅取得等資金の贈与を受けたとき
贈与税とは一一一一一
個人から現金や不動産といった財産の贈与を受けた場合にかかるのが贈与税です。特に、時価より著しく低い価格で財産を買った場合や、金銭の支払いがないのに不動 産の名義を変更した場合、借金の免除を受けた場合などは、贈与というイメージは薄いのですが、税法上、贈与があったものとみなされ、贈与税がかかりますので注意してください。
一一一一一贈与税とは

この暦年課税制度における贈与税は、次の算式で計算されます。

基礎控除が110万円あリますから、年間110万円までの贈与については税金がかからないということになリます。
(注)贈与者が亡くなった時の相続税の計算上、原則として、相続財産の価額
に贈与財産の価額を加算する必要はあリません。ただし、贈与者( 被相
続人)から相続財産を取得した場合には、贈与者が亡くなる前3年以内に
贈与を受けた財産は、相続財産の価額に加算しなければなリません。
く贈与税の速算表>一平成27年以後の贈与ー
1、20歳以上(令和4年4月1日以後は18歳以上)で直系尊属から贈与を受けた場合

2、上記1以外の贈与の場合

く非課税限度額>
住宅取得等資金贈与の非課税限度額は、次のように定められています。

※質の高い住宅 (省エネルギー性、耐震性・バリアフリー性を備えた良質な住宅用家屋) は、国土交通省が次のように定めています。
新築住宅の新築又は所得の場合

次のいずれかの基準に適合するもの
イ 断熱等性能等級(3)の等級4の基準又は一次エネルギー消費量等級(3) の等級4もしくは等級5の基準に適合していること
ロ 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止) (3)の等級2もしくは等級3の基準又はその他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止) (3)の免震建築物の基準に適合していること
ハ 高齢者等配慮対策等級(専用部分) (3)の等級3、等級4又は等級5の基準に適合していること
中古住宅の取得の場合

次のいずれかの基準に適合するもの
イ 断熱等性能等級(3)の等級4の基準又は一次エネルギー消費量等級(3) の等級4もしくは等級5の基準に適合する住宅用の家屋と同程度にエネルギーの使用の合理化に著しく資すると認められること
ロ 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止) (4)の等級2もしくは等級3の基準又はその他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止) (4)の免震建築物の基準に適合していること
ハ 高齢者等配慮対策等級(専用部分) (4)の等級3、等級4又は等級5の基準に適合していること
増改築等の場合

次のいずれかの基準に適合するもの
イ 断熱等性能等級(3)の等級4の基準又は一次エネルギー消費量等級(3) の等級4もしくは等級5の基準に適合する住宅用の家屋と同程度に工ネルギーの使用の合理化に著しく資すると認められること
ロ 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止) (4)の等級2もしくは等級3の基準又はその他(地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止) (4)の免震建築物の基準に適合していること
ハ 高齢者等配慮対策等級(専用部分) (4)の等級3、等級4又は等級5の基準に適合していること

以下、この住宅取得等資金贈与の非課税制度の内容についてみていきましょう。
(1)適用対象となる贈与者、 受贈者
贈与者→この非課税制度では贈与者は受贈者の直系尊属と
なっていますので、父母のほか、祖父母や曾祖父
母からの贈与も対象となります。
受贈者→その年の1月1日現在で20歳以上(令和4年4月1日
より18 歳以上)の贈与者の直系卑属となっていま
すので、子とか孫が対象となります。ただし、贈
与を受けた年の合計所得金額が2 ,000万円以下(一
定の者は1,000万円以下。下記(3)参照)の者に限ら
れます。
(2)住宅取得等資金とは
住宅取得等資金とは、次のいずれかに掲げる新築、取得又は増
改築等(受贈者の配偶者その他の受贈者と特別の関係がある者か
ら取得又は増改築等をする場合を除きます。)の対価に充てるた
めの金銭をいいます。
①住宅用家屋の新築又は建築後使用されたことのない住宅用
家屋の取得
②中古住宅用家屋の取得
③住宅用家屋の増改築等
(注) ①、②、③とともに取得するその敷地の用に供されている土地等
を含みます。
④住宅の新築等に先行してその敷地の用に供された土地等
の取得
(3)適用対象となる住宅用家屋等の範囲
この非課税特例の適用対象となる住宅用家屋等の範囲は、
相続時精算課税制度の住宅取得等資金の特例と同様ですが、
この贈与税の非課税特例の床面積基準については、令和3年
1月1日以後に贈与により取得する住宅用家屋等は、40㎡以
上 (所得税の合計所得金額が1 ,000万円以下の者は40㎡以上
で、2,000万円以下の者は50㎡以上) 240㎡以下 (東日本大
震災の被災者は40㎡以上 (所得税の合計所得金額が1,000万
円以下の者は40㎡以上で、2,000万円以下の者は50㎡以上)
)となります。
なお、相続時精算課税の住宅用家屋等の床面積要件には、
240㎡以下という制限がありませんのでこ注意下さい。
(4)入居要件
この非課税特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年
の翌年3月15日までにその取得した住宅に居住すること、又
は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見
込まれるときには適用を受けることができます。贈与を受け
た年の翌年12月31日までに入居できない場合は、非課税特例
の適用はなくなり、修正申告をして贈与税を納めなければな
りませんのでご注意下さい。
(5)適用を受けるための手続
この非課税特例の適用を受けるには、贈与税の申告書にこ
の特例の適用の記載をし、一定の添付書類 (相続時精算課税
の住宅取得等資金の特例で必要とされる添付書類と同じ)を添
付して、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに
住所地の税務署に提出する必要があります。
(注) 申告期限を経過しますと特例適用が受けられず、一般の贈与に該当
し、税額も高額になるのでこ注意下さい。
建物の新築に先行して取得する土地の取得資金
住宅を建てるための土地の取得資金の贈与については、従来、住宅用家屋とともに取得する敷地が対象で、建売住宅とかマンション、建築条件付住宅の土地などに限られていましたが、平成23年度の改正によって、住宅の新築に先行して取得するその敷地の土地等を取得するための資金の贈与についても非課税や相続時精算課税が適用されることとなりました。
ただ、この場合にも入居要件がありますのでご注意下さい。

相続時精算課税制度
平成15年1月1日以後に財産の贈与を受けた人は、財産の贈与をした人ごとに相続時精算課税制度を選択することができます。
その内容は次のとおリです。

1

【住宅取得等のため資金の贈与を受けた場合の特例】
相続時精算課税制度において、平成15年1月1日から令和5年12月31日までの間に、「住宅取得等のための資金」の贈与を受けた場合、次の特例の適用を受けることができます。
(1)相続時精算課税制度の選択の特例
「住宅取得等のための資金」の贈与を受けた場合には、その
贈与者が60歳未満であっても相続時精算課税制度を選択す
ることができます。
(注)受贈者は、贈与の年の1月1日において20歳以上(令和4年4月1日以
後は18歳以上) でなければなリません。
(2)住宅資金特別控除の特例
相続時精算課税制度の適用を受ける人が「住宅取得等のた
めの資金」の贈与を受けた場合には、2,500万円の特別控
除額が控除できます。
(3)相続時精算課税制度の選択の特例の週用を受ける住宅用家屋
等の範囲
区分 要件
新築若しくは建築後使用されたことのない住宅用家屋
①その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら自己の居住の用
に供されるもの(居住の用に供する家屋を2以上有する場合には、主た
るものに限る。)
② 床面積が40㎡(令和2年12月31日以前は50㎡)以上であるもの
判定・ 一棟の家屋の場合には、その床面積による。
・区分所有建物である場合には、専有部分の床面積による。
中古住宅用家屋(建築後使用されたことのある住宅用家屋)
①その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら自己の居住の用
に供されるもの(居住の用に供する家屋を2以上有する場合には、主た
るものに限る。)中古住宅用家内屋(建築後使用されたことにのある住
宅用家屋)
②床面積が40㎡ (令和2年12月31日以前は50㎡)以上であるもの (床面
積の判定は新築住宅に同じ。)
③次のイ・ロのいずれかに該当すること
イ. 昭和57年1月1日以後に建築されたもの
ロ. 新耐震基準に適合することが証明されたもの又は、既存住宅売買瑕疵
担保責任保険に加入しているもの (その家屋の取得の日前2年以内に
契約の締結をしたものに限る。)
住宅用の家屋について行う増改築等
①自己が所有し、自己の居生の用に供している家屋 (主として居住の用に
供すると認められるもの)
②増改築等の工事費が100万円以上のもの(居住用部分の工事ひが全体の
工事費の2分の1以上であること)
③増改築等後の家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の
用に供されるもの
④増改築等後の床面積が50㎡以上であるもの(床面積の判定は新築住宅に
同じ。)
⑤増改築等の要件
【戸建住宅】
イ 増築、改築、建築基準法第2条第14号に規定する大規模の修繕及び
同条15号に規定する大規模の模様替
ロ 家屋のうち居室、調理室、浴室、便所等の一室の床又は壁の全部に
ついて行う修繕又は模様替
ハ 建築基準法の大規模の修繕又は大規模の模様替に至らない工事のう
ち、地震に対する安全性に係る基準に適合させるための修繕又は模
様替
ニ 家屋について行う国土交通大臣が財務大臣と協議して定める高齢者
等が自立した日常生活を営むのに必要な構造及び設備の墓準に適合
させるための修繕又は模様替 (上記イからハに掲げる工事に該当する
ものを除く。)
ホ 家屋について行う国土交通大臣が財務大臣と協議して定めるエネ
ルギーの使用の合理化に資する修繕又は模様替 (上記イからニに掲げ
る工事に該当するものを除く。)
へ 家屋について行う給水管、配水管又は雨水の浸入を防止する部分
(住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令第五条第ニ項に規定
する雨水の浸入を防止する部分をいう。)に係る修繕又は模様替(そ
の家屋の瑕疵を担保すべき員任の履行に関し国土交通大臣が財務大
臣と協議して定める保証保険契約が締結されているものに限リ、
上記イからホに掲げる工事に該当するものを除く。)
ト 家屋について行うエネルギーの使用の合理化に著しく資する住宅用
家屋又は大規模な地震に対する安全性を有する住宅用家屋として国
土交通大臣が財務大臣と協議して決める基準に適合させるための修
繕又は模様替(上記イからへに掲げる工事に該当するものを除く。)
【区分所有建築物】
イ 建築基準法第2条第5号に規定する主要構造部の床の過半又は主要
構造部である階段の過半について行う修繕又は模様替
ロ 主要構造部でない間仕切壁の室内に面する部分の過半について行う
修繕又は模様替で間仕切壁の一部について位置の変更を伴うもの
ハ 主要構造部である壁の室内に面する部分の過半について行う修繕又
は模様替で壁の過半について遮音又は熱の損失の防止のための性能
を向上させるもの
ニ 【戸建住宅】の口からトまでの増改築等
(参考)
①「増築」とは、一の敷地内にある既存の家屋を棟続きで床面積を増加させるこ
と又は別棟扱いで床面積を増加させることをいう。
②「改築」とは、家屋の全部又は一部を除却し又はこれらの部分が災害等によっ
て消失した後、引き続きこれと用途、規模及び構造の著しく異ならない家屋
を建てることをいう。
③「修繕」とは、既存の建築物の部分に対して、おおむね同様の形状、寸法、材
料によリ行われる工事をいう。
④「模様替」とは、おおむね同様の形状、寸法によるが、材料、構造種別等は異
なるような既存の建築物の部分に対する工事をいう。
⑤「床面積」は登記面積による。

(4)適用を受けるための手続
この特例の適用を受けるためには、相続時精算課税制度の選択をする旨の届出書の他に、次の書類を添付しなければなりません。
①受贈者の戸籍謄本又は抄本
②新築や取得の契約書の写しなど
また、相続時精算課税制度の住宅取得等資金贈与の特例の適用を受ける場合は、上記の添付書類のほかに、さらに次の添付書類が必要となります。

